アイルランドの国をあげての大酪農祭「The National Ploughing Championship」が、2015年も開催されました。
欧州最大の屋外展示会として今年で84回目を迎えた当イベントは、9月22日～24日に開催され、出展数1,500団体、3日間を通しての来場者数は28万1千人にのぼりました。アイルランドの人口が460万人ですから、その規模の大きさがうかがえますよね！
今回はイベントの様子をご紹介します。
※デイリーマスター社（アイルランド）ケイプリス・アサコさんの寄稿をご紹介しています。（2015年11月公開）
※アイルランドの酪農紹介（前篇）はこちら
当初は名前の通り、PLOUGHING＝土を耕す【耕起】の技術を競う場として始まったイベントでしたが、今では酪農関連の企業だけではなく、テレビ局、スーパーマーケットや地元のクラフトショップ、レストランに移動遊園地まで出展。酪農家ではなくても、家族みんなで楽しめるお祭りになりました。
ただし、雨の多いアイルランドでの屋外イベントですから、みんな雨合羽に長靴持参で出かけます。幸いにも2015年は3日間通して、まずまずのお天気が続いたラッキーな年でした。
日本の皆様にも、おなじみのトラクターや農作業機械メーカーがずらりと軒を連ねます。
搾乳ロボットを展示しているレリー社では、乳牛40～50頭を会場に待機させて、搾乳の実演とともに担当者が説明を行います。
終始、観客が絶えない会場で、牛達もさぞ緊張気味！？と思いきや、そこはフレンドリーでのんびりしているアイリッシュ牛（笑）。周りの目もなんのその、自分のペースで次々と搾乳ロボットに入って行きます。機械の性能を証明する、とってもいいアイディアですよね。
アイルランド大手の生乳加工会社グランビア社では、自社ブランドの牛乳の無料試飲会を開催。
休む間もなく、次々と紙コップに注がれる牛乳に、来場者の手が伸びます。いったい3日間で牛乳何パック…いや何万パック？空いたのでしょうか…？？
ランチは、会場内あちこちにあるフードコートで食べられます。人気は「FISH&CHIPS」という白身のお魚を揚げたもの＆フライドポテトのコンビでしょうか。こちらでは、フライドポテトに塩と酢をかけていただきます。
そして酒豪大国アイルランド、アルコールコーナーも、もちろんあります！テント内ではアイリッシュミュージックの生演奏に、昼間からステージで踊り出す人が続出！！基本的に屋外での飲酒は禁止されている国なので、晴天のもと美味しいビールが飲めることも、お祭りの醍醐味ですね。
デイリーマスターも、もちろん出展しました！
毎年、酪農分野での革新的な技術やアイディアに贈られる「Innovation Arena Award」。
今年は170団体がノミネートする中、当社の「スイフトフローコマンダー」がソフトウエア部門を受賞。さらに全ジャンルを合わせた総合部門でも、大賞を受賞いたしました。
この新製品コマンダーは、当社の搾乳パーラー付属のコントローラーで、これまでパソコンに座ってしかできなかった飼養管理のデータ閲覧と編集が、搾乳中に手元のコントローラーでできるという特長があります。
今日の酪農は、どれだけ個体情報を管理し飼育に活かせるか、そして、その時間を捻出するため日々の作業効率の向上が必須となっています。
そんな中、牛1頭1頭を確認する「搾乳」という最適なタイミングで、個体情報を閲覧でき、さらにその場でデータ登録もできるコマンダーは、まさに一石二鳥！
24時間365日、多忙な酪農家の皆様の右腕となる製品です。
次回、アイルランド酪農紹介（後編）は、2015年のヨーロッパ酪農最大のニュース「ヨーロッパ生乳生産調整”クォータ制”の廃止」からの動向をご紹介いたします。
※文章・画像提供：デイリーマスター社 ケイプリス・アサコさん
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