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DairyJapan誌「周産期疾病を最小にする」

(株)オークリーファーム様(北海道野付郡別海町)

DairyJapan誌「周産期疾病を最小にする」

搾乳・飼養管理搾乳ロボット

アストロノートA4

LELY(レリー)オランダ

■飼養頭数:経産牛80頭、未経産牛70頭 ※増頭中
■ロボット搾乳(2台一群)アストロノートA4×2台
 フリーストール:120ベッド
■2016年3月末より稼働
■作業人数:家族4名

DairyJapan誌 インタビュー

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酪農情報誌 DairyJapan【デーリィ・ジャパン】
http://dairyjapan.com/

2016年12月号 特集「周産期疾病を最小にする」掲載
(株)オークリーファーム様の取材記事を同社の許可を得て掲載しています(以下原文)。

”喰ってくれる”が大前提

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(株)オークリーファーム
  代表 佐藤崇徳様


2016年春からロボット搾乳に移行し、頻回搾乳の好結果を得ている(株)オークリーファーム。
そこには乾乳期、周産期、そして泌乳期と、全般にわたり佐藤崇徳さんの「乳牛の気持ちになって考える」という基本方針が行き届いている。




泌乳は乾乳がスタート

「周産期疾病に悩まされた時期もあった」と佐藤崇徳さん(42歳)は振り返る。就農して間もない頃のことである。
「当時は、乾乳期の管理に注力していなかった。だから高泌乳牛ほど周産期疾病になりやすく、分娩が不安な時期もあった」と当時の胸中を明かす。


そこで佐藤さんは乾乳期の管理を勉強し、できる範囲から始めた。乾乳後期(クロースアップ)で配合飼料を増し飼いするようにしたところ、手応えを感じた。
そこで本腰を入れ、フリーストール牛舎を増築して、乾乳牛をきちんと群分け管理できるようにした。約15年前のことである。

経験と知恵を盛り込んだ新牛舎

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その後、搾乳牛群はじめ乾乳牛群の飼養管理・環境を高めるとともに、TMRセンター利用で管理効率も高めてきた。
そうして培ってきた経験と知恵を十分に盛り込んだ新施設を設計し、今春からロボット搾乳に移行した。


ロボット搾乳牛舎は中央給飼通路を挟んで、片側がロボット搾乳(2台一群、フリーストール120ベッド)、もう一方の片側が、乾乳牛エリア、分娩エリア、育成牛エリアとなっている。
将来的には、両側をロボット搾乳にすることも踏まえた設計である。
乾乳エリアは前期・後期に分けて、それぞれ1牧区100m2のフリーバーン。1頭当たり10m2、最大10頭飼養の“ゆったりスペース”である。

新牛舎は道産木材造り

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右側がロボット搾乳牛群、左側が、乾乳牛エリア・分娩エリア・育成牛エリアとなっている。

佐藤さんが旧牛舎(フリーストール)で培ってきた経験と知恵をふんだんに盛り込んだ設計となっている。大型(サイクロン)ファンも設置されている

乾乳にするときも搾乳ロボットは便利

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平均乾乳日数は55日。経産牛は40~45日、初産牛は60日としている。平均乳量が1万2000kg強ゆえに乾乳予定日でも相当の泌乳量だが、一発乾乳する。「以前に、乾草だけを与えて乳量を下げて乾乳にしたら、喰い込みが戻らなかった」という経験もあるという。

なお、搾乳ロボットは泌乳後期から配合飼料の量を自動的に漸減するので、乾乳予定日までに泌乳量を落としてくれる。「その点でも搾乳ロボットは重宝している」と言う。


乾乳牛の嗜好性が最優先

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乾乳用TMRは、乾乳前期をベースとして設計されているもの。乾乳後期は、フィードステーションで配合飼料を増し飼いしていく(分娩時には3~4kg/日)。

ちなみに、このフィードステーションは初妊牛にとって「入れば配合飼料を喰える」という行動学習となり、搾乳ロボット内で配合飼料を喰いに行くトレーニングとして役立っている。


餌寄せロボットも利用

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搾乳牛群同様に、乾乳用TMRも常時、喰いやすいように配慮されているが、それを十分に喰っているかどうかを、佐藤さんは常に見ている。

毎朝9時頃に新しいTMRを給飼して、その後はエサ寄せロボットが1日に何回も回る。これも採食量を上げることに貢献しているという。


ルーメン(腹)の張り具合が大切

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「腹(ルーメン)の張り具合を見ることが基本。それが思わしくないと感じたら、即、とにかく喰うものを与える」と佐藤さんは言う。

「“喰ってくれるもの”を与えることが大前提。喰いつきが良く、十分に喰えてはじめて、栄養成分やビタミン・ミネラルなどの細かいところを見る、というのが自分の考えだ」と、乾乳牛の嗜好性を最優先にして、採食量を落とさないことの重要性を強調する。


産褥牛はセパレーションエリアで

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お産は、直前に分娩房へ移動して、なるべく自然分娩としている。娩出子牛が乾いたら分離し、胎盤が落ちたことを確認してから、産褥牛はロボット搾乳のセパレーションエリア(一般搾乳牛とは別管理したい搾乳牛を入れるエリア)に移動して、初乳もロボット搾乳で行なう。
その後、出荷可能乳になったら一般搾乳牛群に移動する。


産褥牛への給餌

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セパレーションエリアの産褥牛には、一般搾乳牛群と同様の、ロボット搾乳用TMR(23kg設定)を与える。
「乾乳期を順調に過ごし、お産が普通であれば、分娩直後から食欲はあるのが通常だ。TMRの喰いつきは良い」と佐藤さんは言う。ただし、分娩後の食欲が少しでも気になれば、乾乳後期群にイネ科乾草などを別給与して様子を見る。

※TMRは圧縮梱包(約900kg/本)でセンターから配送されてくる。これをリフトで飼槽へ持っていき、開封してバケットで給飼する。


乳牛の気持ちになって判断する

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規模拡大するにあたり、佐藤さんは前もって、若い牛群構成にして準備してきた。「それでも全頭がロボット搾乳に適応できるとは思っていなかった」と言うが、ところがやってみたら全頭が適応した。

しかも、「搾乳ロボット馴致にもほとんど苦労なく、意外とスムーズに適応した」とのこと。順調に搾乳牛頭数は増えていて、「今の調子からすると、来年中にフル頭数になる見込み」と、計画は前倒しで好調推移している。

「こうしたほうが良いだろう、こうしたほうがもっと良いだろう、と考えて、経験の積み重ねでやってきている。自分が乳牛の気持ちになって、どちらが良いかを考えれば、大抵のことは解決する。人間が居心地良ければ、乳牛も居心地良いだろう」というのが佐藤さんの基本方針だ。

※写真は、1日50kg以上を泌乳している初産牛の乳房。
ロボットで頻回搾乳されているから、乳房が張りすぎることがない。


分娩エリア

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分娩エリアには二つの分娩房を配置。地面は“土間”。
「分娩房は、広く平らな土間で敷料(麦稈)がたっぷり、というのが分娩牛にとって一番の環境」と佐藤さんは言う。

産後は敷料を除去して、ファンで土間を十分に乾かしてから次のお産に備える。













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