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レポート


2014/04/24レポート

オランダ視察レポート後編【搾乳ロボット牧場訪問】


2012年11月に搾乳ロボットをご検討中のお客様と一緒に、オランダのLELY社(レリー・搾乳ロボットの開発メーカー)工場と搾乳ロボット導入牧場、ドイツのユーロティア2012(畜産管理技術に関する国際展示会)視察を行いました。

後編はオランダの搾乳ロボット牧場の様子をご紹介します。オランダ視察レポート前編【酪農マーケット】はこちら

【コーンズ・エージー本社 営業本部:横浜隆則、国際本部ロボットグループ:小池美登里】
 

牧場視察01. 200頭を1人で管理するV牧場

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牧場データ
■搾乳頭数:175頭
■耕作面積:63ha(グラス43ha、コーン20ha)
■ロボット台数:4台
■労働人数:1名(牧場オーナー)


オランダでは珍しい大規模な牧場で、大きな牛舎の中に、搾乳牛と育成牛・乾乳牛のスペースを併設したオールインワン牛舎です。牛舎はオーナーが建設し、4台の搾乳ロボットを始め、全ての牛舎製品がLELY製で揃えられていました。

オーナーはロボット搾乳に非常に熱心な方で、「搾乳ロボット導入前は、1人で120頭をパーラーで搾乳していたよ。
今は、ほぼ1人で4台のロボットを管理して、1日の作業時間は5時間程度だ」と自信満々に搾乳ロボットについて語り、
その熱意に圧倒される程でした。

将来は、乾乳牛を管理しているスペースに搾乳ロボットをもう1台追加して、分娩牛や治療牛をまとめて管理し、さらに
生産乳量の増加と作業効率を高める計画をされています。
 

牧場視察02. 牧場・ショップ・レストランを複合経営するG牧場 

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 牧場データ
  ■搾乳頭数:60頭(乾乳牛含む)
  ■耕作面積:42ha
  ■ロボット台数:1台
  ■労働人数:1名(牧場)
  ※牧場外の従業員は35名/年


2軒目の視察は、タクシーの運転手に「ここです」と言われた時、「まさかー!?」と目を疑ってしまった、
レストランにしか見えない商業施設と牛舎が一体化された観光牧場です。
2階建の商業施設の1階には、チーズ・野菜を販売するショップとレストランが、2階にはバーが入っています。

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レストランと牛舎の間はガラス張りになっていて、食事をしながら牛を眺めることができます。
また、ビアサーバーを備えた2階のバーでは、お酒を飲みつつ、牛舎を上から一望することができます。

バーの奥には、なんと『結婚式場』が併設され、牛を見ながら、結婚式が挙げられるという、日本人には思いも付かない
想像を遥かに超えた牧場でした。

訪問時、40歳の牧場オーナーは、地域に根付いた酪農をしたいという構想のもと、複合型の経営にされたそうで、
「私は農業・酪農は、非常に大切な 産業と考えています。同じ世代の酪農家は、規模拡大を目指す人が多いですが、
私は地域の人に酪農の大切さを理解してもらいたいから、気軽に牧場を訪れて、直に 酪農を感じられる、このような経営を選びました。そのために、搾乳ロボットを導入して、牧場の作業軽減を図っています」と語ってくれました。
 

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牧場の収益は、年間わずか200万円程ですが、販売所・レストラン経営だけではなく、学童保育などの教育ファームの実施も行ない、牧場以外の収益を上げています。

現在、ショップで販売しているチーズは、近くの牧場で作られたチーズを仕入れしていますが、将来は自家製のアイスクリームやヨーグルトなども販売したいと教えてくれました。


仕事で海外・国内の沢山の牧場を訪問している弊社2人も、この牧場には大きなカルチャーショックと感銘を受けました。
 

牧場視察03. 温室牛舎でハイレベルの牛群管理を行なうO牧場

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牧場データ
■搾乳頭数:110頭
■耕作面積:40ha
■ロボット台数:2台
■労働人数:2名(牧場オーナー夫妻)


最後にご紹介するのは、LELYの飼養管理部門が絶賛する、牛舎環境も牧場マネジメントもハイレベルの牧場です。

以前はパーラーで60頭を搾乳し、2008年から搾乳ロボット2台を導入した、外列餌槽の6ロー(列)の温室牛舎です。
牛舎を建築してから5年が経過していましたが、快適な牛舎でした。牛舎作業は時間で分担し、朝晩の作業はオーナーが、日中の作業は奥様が行ない、人工授精も2人で実施しています。

この牧場は、”牛を快適に管理して、コストも手間もかけずに、収益を上げる”ことを徹底しています。
オーナーには10,000kg以上の牛群を作ることができる管理能力を感じましたが、実際の牛群能力は8,500kgに留まっています。
オーナーは「私が重要視しているのは、“牛が健康的に牛乳を生産して、長生きしてくれること”です」と話してくれました。


オランダ視察ツアーを終えて

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■K様
今まで海外へ行かなくても、日本で十分勉強できると思っていましたが、“百聞は一見にしかず“でした。牧場を4軒視察しましたが、とても同じ世代の酪農家とは思えず、大いに刺激を受けました。

心残りとしては、ドイツはユーロティア(畜産管理技術に関する国際展示会)しか行けなかったので、ドイツの牧場も訪問してみたかったです。


■弊社(横浜・小池)
オランダの牧場オーナーとじっくり対話ができ、また同行のお客様を通じて、日本の酪農事情を視察先にも伝えることができ、良い情報交換の場になりました。オランダ(ヨーロッパ)の酪農の歴史はとても長く、その歴史の長さが、オランダの酪農経営者の誇りや思い入れにつながっていることを改めて実感しました。

また、LELYで中国のディーラーと一緒になり、短時間ですが一緒に視察をしました。中国には約1,500万頭(日本は約150万頭)の牛がいて、大規模化が推進され、5,000頭クラスの牧場も増えているとのこと。あまりにも規模が大きく、イメージはできないのですが、欧州以外の国との情報交換も勉強になりました。


オランダ酪農編は今回で終了です。次回の海外レポートもお楽しみに!




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