野原牧場様(北海道帯広市)
SECCO(セコ)カナダ
繋ぎ牛舎(86床)
2013年12月にカナダのSECCO(セコ)社 自動換気システムを導入された、北海道帯広市の野原牧場 野原幸治様に、
製品の感想をお伺いしました。
※インタビューは野原幸治様、写真は野原慎也様
私も息子も、アメリカに1年程、滞在したことがあり、北米と日本の気候は大差ないことを知っていました。それで、カナダのメーカーで、北米で既に実績があるシステムなら、冬の寒さも、夏の暑さも大丈夫だと考えて、導入を決めました。
日本の縦に長い牛舎は、ファンだけでは換気は十分にできないと最初からわかっていたので、思い切って挑戦しました。日本初設置とあって、導入前は心配もしましたが、今は大変、満足しています。
牛舎内の温度をセンサーで感知して、カーテンが上下に開閉して外気を取り込みます。外から入って きた冷たい空気は下に流れて、湿った重い空気は上に逃げ、屋根裏の排出口から排気されます。
牛舎内でも、場所ごとに気温が違いますが、場所に応じたカーテンの開閉も自動で行なってくれます。
朝や夕方の搾乳時に、目の前のカーテンが下がって外気が入ってくると、搾乳者は寒いのですが(笑)、牛にとっては快適な気温なんでしょうね。
空気の流れが非常に良く、暖房器具も冷房器具も一切使っていませんが、夏も、冬も、一定の温度を保っています。
空気が均等に流れるので、こもっているところはありません。1年を通して、常にいい環境です。
夏は牛舎内の気温が16℃を越えると、自然換気(カーテンから取り込んだ空気を屋根上から排出する換気)から、トンネル換気(下写真の大型換気扇による換気)に切り替わり、20℃を越えると、8台のトンネル換気がフル稼働するように設定しています。
以前の牛舎は、外気温が34℃位まで上がると、牛舎内の温度も33℃位になってしまって、牛の熱射病や採食量の大幅な減少が見られましたが、今はそういったことは、すっかり無くなりました。
湿度が高くなる日が何日続いても、牛が弱ることはないですし、夏場に乳量が下がることもなくなりましたね。
冬は、大体6℃を保つように設定しています。外気温が最も低い時は、マイナス25℃まで下がりますが、牛舎内は最も気温が低くても5℃を保つので、作業者は楽ですね。かえって、10℃位の時の方が寒く感じるかもしれません。
牛舎は常に乾いていて、冬でも、壁や天井に結露が発生しません。入口に近い部分のウォーターカップが冷えることはありますが、他に凍結はしませんね。
自分達も、牛も、ストレスがなくなり、大変満足しています。
牛の本当の気持ちはわかりませんが...繋ぎ牛舎でつながれっぱなしでも、ストレスを感じていないように見えます。
餌の食い込み量も増えました。
繋ぎなので、フリーストールより繁殖はわかりにくいですが、発情の兆候は、以前の牛舎よりもわかりやすく出ていて、発情牛がみつけやすくなりました。目視で発情の兆候が確認できるのは、牛の体調が良い証拠だと思います。
牛にとっては、かなりいい環境なんでしょうね。
視察に来た方は「こんなに良い牛舎環境は、そう無い」と皆さん驚かれます。本当に素晴らしいシステムなので、導入する時は、システムそのままの状態で導入すれば良いのではないかと思います。
コーンズには、営業からサービスまで、丁寧にして頂いています。SECCOの導入までお付き合いはなかったのですが、SECCOを通して知り合うことが出来て良かったです。
残暑の厳しい8月下旬に取材を行ないましたが、野原様が仰る通り、風が牛舎を吹き抜けて、空気の流れが非常に良く、牛舎内はとても涼しく感じました。牛舎内にいても、臭いは感じられませんでした。
また、ゆったりとくつろぐ牛が沢山見られたことも印象的で、当然ながら、牛も空気の綺麗な環境の方が落ち着くのだということを改めて実感しました。