有限会社ケーアイ牧場様(北海道河東郡鹿追町)
■搾乳ロボット4台稼働年度:2014年11月
■飼養頭数:約850頭(搾乳・乾乳牛500頭・育成牛350頭)
※ロボット搾乳牛220頭
■作業人数:家族3名、従業員・実習生
※2016年9月時点
導入する5年以上前から、ロボット搾乳を考えていました。海外を視察して感じたのは、欧米に比べて日本は10年位遅れているということ。だから、逆算して、今、何をするべきかを考えると、自ずと搾乳ロボットにいきつきました。
搾乳ロボットは、昨今の生乳不足という流れのなか、増産を考えた時に、
牧場経営として最大限にできることを模索した結果でした。
また、娘の笑里が牧場を継ぐ決意をしてくれたことも後押ししました。
これからは人手の確保もますます難しくなるでしょう。これまでヘルパーの力を借りたこともありますが、ヘルパーを頼んで感じたのは、人から与えられた休みのようだということ。自分で、自分のための時間を作ることが酪農家にも必要だと思います。
もう随分前になりますが、ドイツやデンマークを視察した時に、ロボットを見る機会がありました。視察の目的はバイオガスプラントや糞尿の処理方法の見学で、環境に対する海外の考え方は非常に勉強になりましたね。当時から、チャンスがあれば、「次はロボット」と決めていました。
導入前には、娘もオランダとエストニアの大規模なロボット牛舎やオランダのレリー社へ視察に行きました。
「ロボットならレリー」と決めていました。やはり実績もあるし、安心感が格段に違いますから。
それと、私達が以前から使っているパーラーのサービスを担当する小畑さんが実に完璧なメンテナンスをしてくれて、コーンズの対応を信頼していることも大きいです。今回の導入はその点も、かなり決め手になりました。
今もコーンズは万全の態勢でやってくれているので、満足しています。
※帯広支店 小畑 憂輔(写真左)、高橋 勝(写真右)
営業担当の横浜さんは、ロボットのことをよく勉強していて、非常に知識があるので、牛舎のレイアウトは彼を信頼してお任せしました。
私は扉の配置や利便性など、牛と人の移動のしやすさにこだわりました。
ロボット搾乳牛と乾乳牛・分娩牛を一緒にしたオールインワン牛舎なので、利点をうまく活かしていきたいですね。
なんといっても、省力化です。ロボット4台を1人で大体管理できるので。
管理に人手をあまり必要としなくて、やはり楽。迷っているなら、絶対にロボットをお勧めします。
1台で搾乳できる頭数に制限はありますが、資金の目途が立てば、将来、目標とする規模への拡大を考えながら準備してもよいのではないでしょうか。
私は、規模拡大に関しては、何の迷いもありませんでした。ただ、初期投資が多くなるので、大規模なロボット牛舎を進めるのであれば、スタートからある程度の頭数の牛が必要かもしれないですね。
牛床マットを全面に敷いて、除糞にスクレッパーを導入しているので、牛の負担は少ないです。牛床の幅や広さも充分に取ったので、牛はいつものんびりくつろいで、ストレスは無いと思います。
ロボットに合わないような乳頭がくっついている牛は、あまりいないですね。いても牛群の5%以内でしょうか。
頻回搾乳の効果で乳房炎の牛も少なく、健康も問題ないですね。
左:ロボット搾乳後に治療や観察、授精が必要な牛を分離して管理するホスピタルエリア 右:分娩牛用スペース
継続は力なりという言葉がありますが、農業はまさに継続。2006年に法人化に踏み切ったのも、自分の世代で終わらせず、
経営が継続できるようにするためでした。メインをロボットだけで搾れたら本当は良いのですが・・・、既存のパーラーもうまく併用しながら、500頭位を常時搾乳できればと考えています。