樋口牧場様(宮崎県)
■飼養頭数:搾乳牛85頭(ロボット搾乳65頭・パイプライン搾乳15頭・乾乳牛)
肥育牛90頭
■作業人数:4名
■搾乳ロボット稼働年度:2014年3月
※2016年7月取材時の情報
2010年に宮崎県で発生した口蹄疫で、牧場の牛に被害はなかったものの、発生地域から10km圏内ということで、全頭が殺処分となってしまった樋口牧場様。
0からのスタートで、ロボット搾乳にチャレンジされた、樋口文康様と智康様にお話を伺いました。
※写真右から樋口智康様・文康様、南九州支店 支店長宮田
「以前は、フリーバーン牛舎から64頭程の牛を追い込んで連動スタンチョンにつなぎ、パイプラインミルカーで搾乳していました。畑作業や肥育牛の世話もあるので本当に大変で、睡眠時間が1日3時間位になって、牛舎で寝てしまったこともありました。
いつも元気な父が、65歳の時に風邪で入院したのをきっかけに、搾乳ロボットの導入を本格的に検討し始めました」
「どこのメーカーに聞いても良いことしか言わないので(笑)、自分で取り寄せた帯広畜産大学の資料を読み漁って、LELYの技術が1番進んでいるとわかりました」と智康様。
「ロボットが1日3~4回も搾ってくれて、乳量は1日40kgから50~60kgまで上がったので、餌の食い込み量も2倍くらいに増えました。ミキサーを導入して美味しく食べやすい餌に変わったことも影響していますね。
お産したら、つなぎ牛舎に入れて様子を見て、体力が回復したらロボットに戻しています。
牛追いは、分娩後の牛をロボットに戻したときに、牛の序列が変わって入りにくくなったときだけですね」
ロボットが発情を知らせた牛は、必ず受精師に診せているそうですが、「これはロボットの発見だね。こんな微弱な発情、人に見つけられるはずがない」と感心されるそう。
「発情の発見は、ばっちり!分娩間隔が短く、受胎率が抜群にいい。繁殖管理はロボットに限ります」
飼養管理ソフトウエア T4Cも使いこなされています。
「T4Cは使い勝手がよく、簡単に注意牛をチェックできます。反芻時間が減っていたら、ベッドで寝ている牛を観察して、栄養補給したり、消化剤を飲ませたりと、健康管理にとても役立っています。
ロボットの牛群は、分娩の時しか、獣医に見てもらうことがなく、いたって健康ですね」
目下の課題は、乳量が増える分、乳脂肪が下がってしまうこと。餌にビートやコーンの比率を増やして調整されています。
今では、猟銃免許を取って猪狩りに出る余裕が出来たという智康様。「ロボットを入れて、当時2歳の息子を初めてお風呂に入れました。毎日、寝顔しか見られなかったのに、今は8時に上がって一緒にご飯を食べられて、家族がとても喜んでいます。
これからは、和牛の出荷を増やして経営を安定させたいです。また、ロボット牛群の乳成分も向上させて、ベテランのロボットユーザーのレベルに追いつきたい」と語ります。
「毎日の作業に追われて精一杯だった日々が、牛をゆっくり見たり、将来を考えたりする余裕が出来た」という文康様は、将来の構想も、「もう1台ロボットを入れて、2台で経営したい。そして、また、北海道へ牛を買いに行きたいですね」と意欲的。
「牛のコントロールに自信が持てたらチャレンジしたい」とお2人に教えて頂きました。
搾乳機器だけではなく、ポッティンガーのリヤ直装式モアコンやマケールのロールベーラーもご利用中の樋口牧場様。
「コーンズは、本当にいい機械を世界中から持ってきていると思います。例えば、マケールのロールベーラーは、本当に性能がいいです。
本州は、年中、畑作業が出来るので、その分、機械に耐久性が必要です。コーンズは、ランボルギーニやドイツファールトラクターなど良い機械を沢山扱っているので、北海道だけではなく、九州でもメンテナンスできる部署を増やして欲しいですね」と弊社へのご要望を頂きました。