特長
EYSクイックコンポスターは、ふん尿処理問題を解決しながら、堆肥調整作業の省力化と、乳牛に安全で快適な敷料生産を両立する画期的な製品です。
本機は、投入した牛ふん尿(スラリー)を固液分離して、24時間回転するドラム内で急速発酵させ、衛生的な戻し敷料の原料として排出する仕組みです。
通常の堆肥化施設では、長時間の攪拌や複数回の切り返し作業による腐熟が必要になります。
一方、本機はドラム内で発酵熱による滅菌が行われ、排出後すぐに敷料として利用できるのが最大の利点です。
原料は24時間回転するドラム内で外気に冷却されることなく発酵され、通常2~6ヶ月を要する堆肥発酵期間を大幅に短縮できます。
ヨーロッパは堆肥の流通に「70℃で1時間以上の殺菌」という規制があり、本機はこれをクリアするための製品として開発されました。
厳しい基準をクリアした本機が生産する堆肥は、大腸菌群や環境性ブドウ球菌、レンサ球菌等の病原性細菌、虫卵、雑草種子等も死滅していますので安心して戻し敷料として利用できます。
日本国内の細菌検査※でも問題が無いことが実証されました。
※㈱帯広臨床検査センターへ試験を依頼
糞に含まれる固形分(繊維分)が完全には分解せずに残るため、クッション性があり、乳牛に快適な敷料となります。
また、発酵により臭いが軽減されることや、粉状のため、他の敷料よりも糞尿搬送機器に詰まるリスクが少ないこともメリットです。
麦稈を敷料にする場合、安定した品質の麦稈を十分な量確保することは難しく、収穫や切断には手間がかかります。
また、カビが生えないように適切な管理や保管場所も必要になりますが、本機は随時の発酵・敷料生産でこれらの問題を解消することができます。
■フリーストール牛舎(搾乳牛・育成牛)
※当製品は牛ふん尿を固液分離し、固形分を敷料・堆肥として利用できるよう急速発酵する機械です。固液分離後の液分は畑へ還元するなど、別途処理が必要です。
※フリーバーン牛舎やコンポストバーン牛舎、敷料の多いふん尿や各種水分調整材を使用している場合はお問い合わせ下さい。
機能
2階建てのコンテナで構成され、上のコンテナには脱水性能が特に高い固液分離機が、下のコンテナには大きなドラム式の発酵装置が内蔵されています。
スクリュープレスタイプのセパレーターで、繊維分を含んだ牛ふん尿(スラリー)を含水率62~70%程度の固形分と液分に効率よく分離して、固形分を発酵用ドラムへ投入します。
セパレーターの主要部分であるスクリーンとオーガーには特殊な耐摩耗性のコーティングを施し、高い脱水性能と耐久性を誇ります。
※搾液は別途処理が必要です。
ドラムが24時間回転しながら投入された固形物を攪拌します。攪拌して原料を空気に触れさせることで好気性発酵を促進し、ドラム内の温度を発酵熱で常時70℃前後に保ちます。
軽量で高断熱かつ機械的強度に優れたGRP(ガラス繊維強化プラスチック)製のドラムは、2重構造になっていることで更に断熱性を高め、発酵熱を外部に逃がさないと同時に寒冷地や冬期間の外気温にも影響されません。
セパレーターからドラムに投入された固形分に押し出され、発酵後の固形物が同じ量だけドラムから排出される仕組みです。排出用のスパイラルオーガーなどがないシンプルな構造で、余計な破損やトラブルを防ぎます。
原料の投入から固液分離、ドラム内の温度管理、排出まで、全てのシステムを自動制御します。
タッチパネル式コントローラーで簡単に操作設定が行え、オプションのインターネット接続機能により、遠隔での監視や操作も可能です。
■上限温度の設定
設定温度を超えた場合は、引き抜きファンの速度が上昇して排気量を増やし、外部から流入する空気量を増加させてドラム内の温度を下げます。
■下限温度の設定
設定温度を下回った場合は、ポンプとセパレーターの運転を自動で休止して新しい原料の投入による温度低下を防ぎ、ドラムを回転させて温度上昇を待ちます。
原料投入
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固液分離
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ドラム内発酵
■敷料:24時間■堆肥:48~72時間 |
排出後
発酵を維持しながら安定化 ■敷料:1~10日間■堆肥:4~10週間 |
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仕様
フォトギャラリー
導入事例
■型式 :BC 14
■稼働日 :2016年2月末
■飼養頭数:約850頭
(搾乳・乾乳牛500頭・育成牛350頭)
※ロボット搾乳牛220頭
■EYS処理頭数:約700頭(子牛を除く全頭)
※2016年9月取材時点