特長
バイオガスプラントで家畜ふん尿といった有機性廃棄物(バイオマス)を処理した場合、メタンを主成分とするバイオガスが生成されます。このバイオガスはバイオガスボイラーやバイオガス発電機の燃料として利用することができます。バイオガスボイラー利用では熱を得ることができ、また、バイオガス発電機利用では熱および電力を得ることができます。このように有機性廃棄物の処理を行いつつ、熱や電力といったエネルギーを創り出すことが可能となっています。
また、近年では、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成24年7月1日施行)いわゆるFITによる電力の買取が行われています。バイオガスプラント(メタン発酵)由来の電力は39円/kW(税別)となっています(2017年現在)。
家畜ふん尿の不適切な管理により、悪臭の発生や、河川や地下水へ流出して水質汚染を招くなどの環境問題が発生します。
バイオガスプラントは閉鎖された空間での処理のため、臭気等の問題が軽減されます。また、処理後に消化液と呼ばれる液体肥料が生産されます。液体肥料はこれまでのふん尿肥料と比較して臭気が大きく低減されており、飼料作成時の化学肥料の削減を可能とします。
さらに、固液分離システムを併設することで、消化液から敷料を生産可能とします。
エネルギーには、大きく分け化石資源のエネルギーと有機物を資源とするバイオマスエネルギーがあります。これまで使われている石炭や石油、天然ガスなどは化石資源のエネルギーです。化石資源は、長い年月をかけて枯死した植物や生物といった炭素が変性したものです。化石資源を燃焼した場合、地球の奥に眠っていた大量の炭素を放出することになり、大気中の二酸化炭素が増加し、地球温暖化の原因となります。
そこで近年化石燃料に変わるエネルギーとして注目されているのが、バイオマスエネルギーです。バイオマスエネルギーを利用することによって、限りある化石燃料の消費を抑え、二酸化炭素の排出量を減らすことができるなどのメリットがあります。
計画段階から、原料調査、発酵試験などを行い、処理量やお客様の今後の計画に合わせプラントの設計を行います。
プラント稼働後は、メタン発酵の安定的な運転をサポートするため、定期的な分析を行い、効率的な運転をバックアップいたします。
機能
スピーディーかつ的確に撹拌するため、大出力の撹拌機を各槽に複数台設置し、短時間で槽内を均一にします。撹拌機稼働時間を短くすることで、電力消費量及び撹拌機の消耗を抑えます。
プラント異常警報を指定のメールアドレスへ通知可能とし、遠隔監視システムにより異常個所の確認が行えます。また、処理状況の確認等、日々の運転管理確認がリアルタイムに行えます。
消化液を固液分離して、衛生的な再生敷料(戻し堆肥)を生産可能としています。消化液を原料とするため、大腸菌群や環境性ブドウ球菌、連鎖球菌等の病原性細菌や、虫卵、雑草種子も不活性化しています。
フォトギャラリー
導入事例
コーンズグループは、1997年に北海道由仁町にバイオガス実証プラントを建設しました。難しいとされる厳冬期のメタン発酵に成功し、寒冷地北海道でのプラント通年継続発酵の道を拓くことができました。2000年には、日本初の個人農場バイオガスプラントの建設と発電を開始しました。現在は、日本国内に約50基のバイオガスプラント建設実績があります(2017年10月現在)。