株式会社十勝 加藤牧場様(北海道帯広市)
SECCO(セコ)カナダ
■飼養頭数:220頭(搾乳牛130頭・育成牛90頭)
■作業人数:4名(家族)
■搾乳ロボット稼働年度:2014年8月
※2015年1月取材時の情報
ホルスタイン牛とジャージー牛を飼養され、牧場オリジナルの乳製品も製造されている十勝加藤牧場様に、弊社製品の感想をお伺いしました。
搾乳ロボットを導入すると決めた時、古いストール牛舎を改築しようかとも考えましたが、建設業者から「新規で建てるのと同じ位、費用がかかる」と言われて、牛舎の新築を決意しました。
近所の野原牧場でSECCOを導入することを知り、建設時から頻繁に見に行きました。
夏は、換気扇のある横断通路の下が涼しいので、そこに牛が集まっていました。壁側の換気トンネルは設置しませんでしたが、牛舎の扉を開けると、勢いよく風が流れます。
冬は外気温がマイナスでも、暖房器具を一切使わず、0℃以上を保ちます。今日の気温はマイナス5℃ですが、牛舎内は10℃です。
牛は相当快適なようで、乳量も増えました。視察に来た人達からは、「牛がおとなしいね」「人懐っこい」「牛舎の臭いが無い」と、よく言われます。
牛がいい環境にいてこそ、高品質の乳を出してくれるので、とにかく"牛が第一"です。
牛の快適性や生産性等をポイントに考えたので、それが乳量や乳質の向上につながっていると思います。
最初、建築業者からは「二重の巻き上げカーテンにしたら?」と言われましたが、自分でいちいち開け閉めするか疑問で。実際、導入したら、コンピューター制御で自動換気してくれるのは、やはりいいですね。
結露すると、機械に悪影響が出ますし、天井から水が落ちてくるのはちょっと...。空気が流れないというのは良くないと感じます。
あとは、耐用年数が気になりますが、補修や修理もそれ程、難しくなさそうです。このシステムと投資効果に満足しています。
外が暗くなると自動的に照明が点灯して白っぽい光、黄色みのある光、夜には赤い光と全て自動で点灯してくれるので、換気システムと合わせて全てコンピューター制御にお任せしています。
とにかく牛が落ち着いて、くつろいでいるし、過ごしやすいんだと思います。
当初は、パーラーと迷っていましたが、搾乳作業の肉体的な負担が大きく、体がしんどかったことや労働力不足もあり、搾乳ロボットに決めました。以前よりも、ロボットの機能が進化していたこともありました。
レリーはフリーカウトラフィック式(詳しくはこちら)で、牛の通路を遮る牛舎内のゲートが必要ありません。ゲートを開閉するガチャガチャした音が無く静かだったことと、乳頭洗浄からティートカップ装着までの時間が1分前後と短いことが気に入りました。
とにかく、体が楽になりました。ロボットの稼働前から牛を増やしていたので、一時期は1回の搾乳に4時間もかかり、疲労してフラフラで大変でした。
ロボット稼働後、最初の5日間で半数の牛がロボットに慣れました。その後も牛が慣れるのは、とても早かったです。以前から、フリーストール牛舎だったことも大きいですね。今、ロボットへの牛追いが必要な牛は、2台のロボットで5〜6頭で初産牛や脚の悪い牛だけです。
それから、ロボット搾乳の牛は体細胞数が減りました。1本ずつ搾っていることや、搾乳回数が平均3.3回でパーラーの牛に比べて1.3回程多い分、乳頭の負担が減っているのではないでしょうか。
これまでも体細胞数は低い時で7万程でしたが、4.5万程まで下がりました。乳房炎も発生しませんね。
飼養管理プログラムも随時チェックしています。
"発情"と表示されても、活動量のデータと合わせて確認して、活動量が上がっていない場合は授精を見合わせる等、データを活用して管理しています。
導入前の餌寄せは1日2回でしたが、今は2時間おきに1日12回、ロボットが餌押ししています。
餌槽を空にせず、1割位は餌が残るよう多めに給餌しているので、正確な量はわかりませんが、食い込み量は増えたと思います。残った餌は、乾乳牛に与えています。
私達は「牧場の顔を作りたい」と考えていて、牛舎のデザインや使用する木材にこだわり、内側も綺麗に保てるように工夫しました。邪魔になるものは全て隠しました。
例えば、電線は地下埋設にして、敷地内に電柱や電線を見えなくしました。水道管は、天井の裏側に隠したので、埃がたまったり、クモの巣が張ったりすることはありません。
また、普通のコンクリよりも費用は高いのですが、処理室のコンクリはレヂン塗りにしました。水洗いですぐ綺麗になるので、加工して良かったと思います。
いつも仕事する場所だからこそ、綺麗だと気が弾むので、"清潔"にこだわりました。
自社の乳製品の販売も広げていきたいですが、今は搾る方を重視しています。
まずは、ロボット搾乳の頭数を満床まで増やして、牧場の運営を安定させていきたいですね。
酪農家は「こうだ」と自分の考えで進めることが多いと思いますが、コーンズのスタッフを信じていいと思います。
最初にコーンズから提案を受けた時は、「建築費用がかかるので、牛舎通路はこんなに広くなくていい」と思いましたが、"牛を第一"に考えると、営業の田代さんの言葉を信じて良かったです。
農家目線ではなく、外部の目線を大切にして、どんどん色々なことを聞いていくのがいいのではないでしょうか。
全般的に、私はとても満足しています。
高たんぱくで、栄養価が高く、ジャージー牛乳を使って、「ジャージーミルクの飲むヨーグルト」や「手づくりバター」を製造されています。
■WEBサイト
http://www.katofarm.net/
■Facebook https://www.facebook.com/tokachi.katofarm
※牧場の飼養形態
ホルスタインとジャージー牛を飼養され、搾乳ロボットとミルキングパーラー半々で搾乳されています。
自社商品の加工用に、ジャージー乳は別出荷が必要で、パーラーはジャージー中心の搾乳施設です。