株式会社TACSしべちゃ様(北海道標茶町)
MILKLINE(ミルクライン)イタリア
■飼養頭数:260頭(成牛200頭・育成牛60頭)
■作業人数:7名+パート2名
■パーラー稼働年度:2015年4月
■給餌回数:1回/日 餌寄せ:2時間間隔(JUNO)
※2015年6月取材時のデータ
「TACSしべちゃ」様は、酪農家戸数が減少し、管内の生乳出荷量が減少する中で、標茶町農協と雪印種苗(株)、標茶町が出資して、2013年11月に設立したメガファームです。
同牧場は、新規就農者の研修施設としての役割も併せ持ち、牧場に隣接した廃校の小学校校舎と教員住宅を改修した
「標茶町農業研修センター(愛称:しべちゃ農楽校)」も活用しています。
■成牛牛舎(フリーストール 300頭規模) 搾乳牛・乾乳前期・乾乳後期の3群管理
■ミルキングパーラー18頭ダブル
■圃場面積:200ha(牧草160ha、デントコーン40ha) バンカーサイロ6基
細部にわたって、例えばストールの幅や高さ、待機場の構造など、色々な部分にこだわりました。
牛床マット(クライバーグ製)は、牛が落ち着いて寝ていて、効果はあると思います。
糞が落ちやすい形状で、マットはいつも綺麗ですね。マットにオガ粉を散布して、四肢の擦れや乳房炎を予防しています。
稼働当初の体細胞数は15万/ml程でしたが、今は1桁台まで下がりました。
最初は個体の情報が無い状態でのスタートだったので、まず全頭の体細胞検査を行ない、数値が高い牛は、4分房それぞれのサンプルを取りました。
その上で、別搾りをしたり、治療を行なったりして、改善していきました。
最初は乳房の情報が何も無いので、そこまで徹底して対策を打たないと、改善はできません。
また、全頭をパーラーに並べてから、搾乳を始める前に、脚にホースで水をかけて洗っています。
蹄の疾病を予防しているのですが、脚は寝ている時に乳房に近くなるので清潔にすることで、乳房への良い効果も出ているのでしょうか。
体細胞数が1桁になると、従業員の意識も変わり、皆、牛を良く観察してくれています。
餌寄せロボットは、夜中でも作業をしてくれて、大変満足しています。あちこちの牧場からも話を聞いていましたが、皆さん推奨されていますね。
ランボルギーニトラクターは、CVTミッションなので、管理作業はとても楽です。視野も広く、キャビンも快適で満足しています。スラリータンカーは、トラクターに追従性が良く、タイヤがきちんと廻って旋回性能がとても良いですね。
沢山ありますが、大きく分けると、乳生産量と餌の品質の向上、担い手の育成の3点です。
まずは、徐々に乳生産量を増やしていくこと。
牛にストレスをかけないために、現在はTMRの濃度を下げて給与しています。28kgからスタートしましたが、管理できるレベルまで、牛の慣れも踏まえて、乳質と乳成分を維持しながら、無理なく増やしていきたいと考えています。
次に、草地の状態が反映される、餌の品質向上です。乳質が改善出来ているということは、粗飼料の品質が良いということ。
現在、乳房炎の牛は全頭の1%程の1~2頭しかいません。
草の質と土の質は、餌の品質や牛の健康状態、疾病につながっています。牛が喜んで食べる粗飼料を安定して生産すること。1番牧草を収穫してから、草地改良に向けて取り組んでいきます。
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パーラー棟 ミルクライン18頭ダブルパーラー
300頭フリーストール牛舎 標茶町農業研修センター
取材協力:TACSしべちゃ様 WEBサイト