コーンズ・エージー Quality   Innovation




SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

地域とともにSDGs達成に向けて
様々な取り組みをしています

マニュアマネジメント

『ふん尿処理』への取り組み

家畜ふん尿物は、野積みや素掘りといった不適切な処理によって、悪臭や水質汚濁など、環境問題の発生源としての側面を有する一方で、堆肥化など適切な処理を施すことで、土壌改良資材や有機肥料としての有効活用が可能となる農村地域の貴重な資源です。

酪農家戸数の減少が深刻化する中、国内の生乳生産量を維持・向上させるため、酪農家が飼育頭数を増やす規模拡大が進んでおり、メガ・ギガファームと呼ばれる大規模な企業型酪農が増えてきました。それは、生乳生産の効率的な増加に繋がる一方で、排出される家畜ふん尿が大量に増えることになるため、家畜ふん尿の適切な処理は、酪農の存続に関わる重大な課題となっています。

私たちは、この課題にいち早く対応するべく、フリーストール・パーラーが広がりを見せ始めた20数年前から、搾乳の多頭化・効率化と平行して、適切な家畜ふん尿処理の確立に取り組んできました。何度も世界各国のメーカーに足を運んで様々な機械を検証し、やっと優れた家畜ふん尿処理機械を製造するカナダのGEA Houleと出会いました。GEA Houle製品の革新性と耐久性から、取引を切望していた日本企業も複数いましたが、収穫・給餌・から搾乳・ふん尿処理まで酪農業におけるすべてに柔軟に対応し、酪農専門商社として機動力と総合力をもった私たちが日本におけるビジネスパートナーとなり、日本の厳しい酪農環境でも確実に使用することができるように、GEA Houleと試行錯誤しながら、家畜ふん尿処理技術を日本に普及させてきました。

牛舎内の除ふんから始まり、離れた貯留槽まで地下圧送し、貯留槽内のスラリーを攪拌・汲み上げ、スラリースプレッダーで圃場に還元するという一連の家畜ふん尿処理プロセスはGEA Houleの豊富な製品群と私たちの総合力の融合により、今では当たり前に行われるようになっています。

なかでもGEA Houleのスラリースプレッダーは、既に500台以上を販売させていただいており、トラクターに確実に追随するステアリング・サスペンション機能(GEA Houleによる独自技術)を備えた油圧式ステアリングと、圃場の凸凹を吸収し安定した走行ができる油圧式サスペンションにより、その容量と作業性の良さに高い評価を頂いております。導入当時は、最小容量の14,000ℓのスプレッダーでも「大き過ぎる」と懸念されたこともありましたが、今では20,000ℓ以上の容量が主流で、酪農家の規模拡大とともにスプレッダーの大容量化も進んでいます。

また、貯留槽からスプレッダーに汲み上げるPTOポンプは、その大容量スプレッダーを僅か数分で満載にすることができ、家畜ふん尿の量が増加している昨今においては、一連の糞尿処理システムにおいて不可欠な存在となっています。

私たちが推進しているのはGEA Houleの製品だけではありません。フリーストール牛舎の家畜ふん尿を自動で収集して搬出するだけでなく、搬出された家畜ふん尿を再生敷料に処理することができるクイックコンポスター(EYS/トルコ)も推進しています。クイックコンポスターは固液分離した固形分を断熱性の高いドラム内で好気発酵させ、ドラム内を70度近くまで上昇させて細菌や雑草種子を死滅させることで、家畜ふん尿を安全な再生敷料にすることができる製品です。「やっかい者」と思われている家畜ふん尿ですが、処理・活用の方法次第では、有効な資源となり、敷料のコストを大幅に削減することができます。

スマート酪農の進展とともに、一戸当たりの飼育頭数は年々増加していますが、適切な家畜ふん尿処理ができなければ、深刻な環境汚染を引き起こし、営農が継続できなくなります。

ふん尿を収集・資源化し、敷料や肥料にすることで資源循環型社会に貢献すること。これも『Grass to Gas』の一つ『ふん尿処理』の取組みの一例です。

SDGsへの取組み



loading